2011年9月11日日曜日

プリウス de HFモービル

愛車プリウス(二代目NHW20)に念願のHF機とアンテナを搭載しました。
RigはIC-706mk2とアンテナはサガ電子のCM-144W(21・28・50MHz)です。
6年前までは同じ構成でマツダ(アンフィニ)のMPVでHFモービルを楽しんでいました。
アースはレインドレインに8ミリ幅くらいの銅版を2mほど這わせていましたが、SWRもきれいに落ち飛びもなかなかのものでした。

プリウスを買ってからは、「HFは無理だなー」とあきらめていました。
というのもプリウスのバッテリー(駆動用ではなく制御用12V系のもの)はユーザーに端子が解放されていないのです。バッテリーの位置もトランクルームの中です。
よって、50W機では必須のバッテリー直結ができないのです。





このSWで車のバッテリーと外部シールドバッテリーを切り替えます。


また、直結できたにしてもバッテリーの容量が50W運用に対しては小さすぎるようです。
もうひとつ問題があります。インバーターノイズです。
私のプリウスの場合アマチュアバンドでは28から50MHzあたりにインバーターノイズが発生しています。
このノイズは電源ラインからではなくプリウス全体から出ているようです。

今回は、
1.走行中の運用はあきらめる。
2.本格運用は停車してハイブリッドシステムを停止して運用する。
3.本格運用のバッテリーは別途シールドバッテリーを利用する。
という手法で問題解決をしました。

電動基台はダイヤモンドのK9000を使いました。
アンテナの取り付け位置はハッチバックの一番中心よりのはじにしました。
この位置でもCM-144Wを取り付けて倒すとリアボディーから50センチくらい出てしまいますので、倒す角度を45°位にとどめて、できるだけリアからはみ出さないように気をつけます。

MAT-50 効果バツグン!

アースはハッチバックのほとんどがガラスで金属の部分は15センチ幅くらいしかないのでここに接地アースの効果は期待できません。
今回は、ダイヤモンドのアース用マットMAT-50を使ってみました。
MAT-50をボディー側に貼り付けてアースとしました。
測定の結果、全バンドともSWRが最小値が1.5以下となりました。(バンドのベストの位置で最小にはなっていないので、今後追い込みたいと思います。)
今回はオートマチックアンテナチューナーAT-180も搭載しましたので、全バンドでチューンが取れています。

電源はとりあえず、ヒューズボックスから取り出す系統を1本作りました。当然50W運用には耐えられませんから使うときはパワーを最小にして使うこととして、あくまでも受信と補助的な(QRP的な)運用にとどめます。
もうひとつの系統は車内にシールドバッテリー(50AH)を持ち込んで、接続して使うものです。こちらは50Wのフルパワー運用が可能となります。
このシールドバッテリーは使わないときは12Wの太陽電池パネルで常に満充電の状態にしてあります。

気になるインバーターノイズですが、28(29)MHzと50MHzで気になりました。
29MHzのFMではインバーターノイズでS3つくらい振れます。スケルチを少し深くしないといけない状態です。
50MHzでの同じくS=3くらいのノイズが入ります。
これらのバンドで本格運用するにはプリウスのハイブリッドシステムを切る(エンジンを切る)必要があるようです。
本格運用の場合は電源の関係で、シールドバッテリーを使うのでエンジンは切ることができます。
ただ、真夏の運用でエアコンを使いながらの運用ができないのがちょっと難点です。
それにしても、アンテナアナライザのありがたみを実感したセッティングになりました。数十秒でアンテナの特性を知ることができます。複数のバンドも1分程度で完了します。
いい買い物をしたと感じました。

おまけ(その1)
今回のHFアンテナの設置によって以前取り付けていたTinyTraker3Plus用の送信アンテナをはずさなければならなくなりました。
CM-144Wは144MHzも出せるのですが、50MHzを使うように内部をいじると120MHz位に同調点が動いてしまいそのままでは144MHzでは使用不可です。
今回はT型アンテナカップラーを間に入れて強制的にマッチングをとってやることにしました。
HFと144MHzをデュープレクサーで分けてやります。このデュープレクサを通じてTinyTraker3Plus用のRig(TR-7500G)に接続します。
SWRは2.5程度ですが、送信する時間は非常に短いので問題ないと思われます。
これで、今までどおり1,200bps(JR6CUM-12)と9,600bps(JR6CUM-9)を同時に運用できるようになりました。


これが問題のデュープレクサ

おまけ(その2)
今回、HFと144MHzを共用のアンテナで使用するために以前使っていたデュープレクサ(ダイヤモンドMX-62M)を引っ張り出してきたのですが、144MHz側は問題ないのですが、HF・50MHz側はSWRが∞になっていました。
デュープレクサをはずすとHF・50MHz側もマッチングが取れるのでデュープレクサの問題として新規購入を考えました。
おちついてから念のためデュープレクサのフタをあけてよくみてみるとコイルのハンダ付けが外れているところを発見しました。
再度ハンダ付けを行って接続してみると、みごとSWRは正常になりました。

コイルのハンダが外れてるところ

新品を買うことを考えれば約6,000円の儲けです。めでたし、めでたし。




2011年8月27日土曜日

ギャラクシータブの充電アダプタ

今回のネタはギャラタブの電源をいじりますので、自信のない方はまねをされないようお願いします。

ギャラクシータブは専用アダプタからでないと充電できません。接続用のUSBのコードを普通のUSB端子につないでも充電しません。
電流容量の関係からかと思いますが、実はサードパーティ製のアダプタ(タブのUSBコードと普通のUSB端子の間に入れる)が販売されています。
なんと、このアダプタを使うと普通のUSB端子から充電が可能になるのです。

実は、このアダプタはギャラタブを購入してすぐに入手していました。専用充電器は家に置いておいて、職場はこのアダプタを使ってPCから充電をしていました。
ネットでギャラタブのことをググっていると、このアダプタを解析した方がいらっしゃるようで、諸現が公開されていました。
USB-A(オス、メス)を準備します
早速、ジャンクボックスをあさって、USB-Aのオス、メスコネクタと抵抗を引っ張り出してきました。
回路は実に簡単です。オス、メスコネクタのプラス、マイナスはそのまま結線します。タブ側のデータ端子をショートします。ショートしたデータ端子からプラス側に33kΩ、マイナス側に10kΩの抵抗を接続します。たったこれだけです。
私の場合は1/8Wの抵抗がなかったので少々不恰好ですが、小さな抵抗器があればスマートに配線ができます。


このように組み合わせました

実際にギャラタブにつないでみます。電源は、上海問屋で入手しておいた緊急用アダプタです。このアダプタは単三電池2本で直流5Vを得られるDC-DCコンバータです。
USBケーブルにこのアダプタを接続して緊急用アダプタに接続します。
すると、みごとに充電を開始してくれました。動作OKです。
ついでに、この緊急用アダプタの能力もチェックしておきます。
ギャラタブの電池残量が46%でスタートしました。

抵抗は小型のほうがいいですね


みごと充電開始です
結果は1時間30分くらいでほとんど充電をしなくなりました。このときのギャラタブの電池残量は58%でした。
単三2本(2,000mAH)なのでこんなものでしょう。でも、ギャラタブのバッテリーがぎりぎりのときに、1回の会議のメモ取りには十分ではないかと思います。
性能が確認できましたので、抵抗器が他の部分とショートしないように、接着剤でコーティングして完成とします。

2011年8月26日金曜日

アンテナアナライザMFJ-259B購入

結構、箱はぼろぼろです
梱包のプチプチを取り去った状態です

50Ωのダミーロードでテスト中
円高に乗じて輸入で注文(ちょっと変な表現ですね)していたMFJ社のアンテナアナライザー(MFJ社はSWR ANARIZERと呼んでますが)MFJ-259Bが到着しました。注文から約3週間でした。
ローカルのOMさんの分を含めて2台注文したのですが、送料が$58でした。
円高だったのですが、ちょうど日銀が介入をした時期と決済が重なったようで、レートは78円位でした。
MFJはWebでオーダーすると確認メールが1営業日位で届き、そのメールのURLで認証することで初めて注文が確定(この確定も1営業日位かかる)するようなので、今回のような円レートの動向をにらみながらの注文には向いてないですね。かなり運に左右されます。

いずれにしても、国内の正規取扱店では4万円近いものが、送料込みで25,400円位で入手できました。
ただ、故障したときは自分でMFJとやり取りしないといけないですし、マニュアルも当然英語ですからその分はown riskです。マニュアルに関してはWeb上にたくさんOMさんたちが書き込みをしてくれてますので、マニュアルなしでも十分に使えそうです。

送られてきた梱包ですが、ものすごく簡易包装でした。緩衝材なしのぎちぎちの箱に2台分の箱が詰められていました。
1台ごとの箱の中もプチプチが一重だけで、マニュアルとチープなカタログが緩衝材の代わりになっていました。ヤフオクでこんな梱包をしたら確実に評価を下げられます。
さすがアメリカだなーと妙な感心をしました。
カタログは紙はチープですが、内容は豊富です。ついつい他の商品もポチりそうになります。

税関で中身をチェックされたようでJapanPostalのシールで封をされていました。
そうそう、配達時にはお金を取られませんでしたので、TaxFreeだったようです。

とりあえず、50Ωのダミーロードをつないで動作チェックをしてみました。
R=48、X=1、SWR=1.0と表示されています。とりあえずは正常に動作しているようです。

さて、さっそくこのアナライザを使って50MHzのYagiのマッチングセクションの改良を行おうと思います。

2011年8月16日火曜日

ギャラクシータブのOSアップグレード(その2)

前回のレポートでギャラクシータブ(以下ギャラタブ)のOSのアップデート(2.2→2.3)の報告をしました。

今回は、root権奪取についてまとめてみます。
本当はrootをとることは将来のOSのアップデートの障害になるのでやりたくなかったのですが、結論から述べると職場の先輩からの情報でrootをとっても現行のKeisできちんとオリジナルOSとして認識してくれることがわかったのでやってみる決心がつきました。

実際の作業はこのHPを参照しておこないました。
Odinというツールを利用して、「CF-Root-TAB7_XX_OXA_JQ1-v3.3-CWM3RFS.tar」というファイルを書き換えるだけです。
ツールを起動して必要なファイルを選択して、チェックボックスのチェックの確認をします。準備ができたらギャラタブ電源スイッチとVOL-を同時に押してダウンロードモードにします。
ここでギャラタブをつなぐと仮想COMポートで認識します。
スタートボタンを押すとあっという間に処理が終了してギャラタブが再起動します。
アプリの一覧にドクロのドロイド君のアイコンととちょっとおどろおどろしいアイコンが2つできます。

ここで念のために先輩の言うようにKeisで最新のファームウエアとして認められるかチェックしてみます。
KiesをつなぐとギャラタブのOSのバージョンとアップデートが必要かどうかを自動でチェックします。
すると、ちゃんと最新のOSである旨のメッセージが表示されます。
これで、少なくともrootをとっていてももう1回はOSのアップデートをすることができるわけです。
職場の先輩のおかげです。まさに人柱様さまです。

rootをとったあとは高解像度化とテザリングを試してみました。
ここらは他の方のHPやブログにも詳しいので省略します。

ほんとにこのギャラタブはいい端末です。
持ち運びも楽ですし、電池の持ちもよいです。これが本体1円で購入できてラッキーでした。

APRS山岳デジピータJG6YCZ-3停波中

6月24日からAPRSの山岳デジピータJG6YCZ-3(1,200bps)が沈黙しています。

先日、フィールドディコンテストに三ノ岳に登ったついでに様子を見てみました。

局舎をあけてみると、Rigは通電していず、TNCは全てのLEDが薄く点灯した状態でした。
ソーラーチャージャーコントローラーのステータスを示すLEDは消灯しています。これは通常のステータスではありえない状態です。
48AHのシールドバッテリーの電圧を測ると幸い12Vありました。過放電にはなっていないようです。
しかし、ソーラーチャージャーコントローラーの出力を測ると6Vくらいしか出ていません。これでは周辺機器が動かないはずです。

とりあえず、コントローラーにつながっている全ての線を取り外しました。
太陽光パネルの電圧を測ると太陽光が当たっていても通常の1/2の電圧の11Vしか発電していません。
しかし、コントローラからバッテリーをはずし、バッテリーから12VをRigに供給すると正常に動くようです。
同じくバッテリーから12VをTNCに供給するとなんとなく焦げ臭いにおいがします。すぐに電源をCutしました。
代替のTNCを持っていっていましたので、交換してRigにつなぐと正常にデジピートすることが確認できました。幸いなことにバッテリーとRigは正常のようです。

ここまでで、可能性としては
・TNCの破損
・太陽光パネルのバイパスダイオード(ショットキーダイオード)のオープン
・チャージコントローラーの破損
が考えられます。

たぶんすべて、近くへの落雷の誘導雷による破損と思われます。
とりあえずTNCとチャージコントローラーは下山してシャックでテストしてみます。
太陽光パネルはバイパスダイオードを入手して交換しようと思います。

いずれにしても、しばらくはJG6YCZ-3は停波になります。
ご利用の皆さんにご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。




2011年8月7日日曜日

フィールドディコンテスト参加

久しぶり(本当に久しぶりです、5,6年ぶりかな)にフィールドディコンテストに移動局として参加しました。
運用場所はいつもの犬飼町の三ノ岳(標高570m位)です。
もう、学生のころのように泊り込みでは体力的に無理なので、朝6時に起きて出発しました。
今年も、50MHzにエントリーしました。
設備はIC-706mk2+AT-180、ログはZLOGをUMPCで利用しました。PCとのインターフェースは数年前に作ったAMD-USB-CQ Ver1.0bです。CI-Ⅴシステムとともに使いましたので、快適なQRVができました。特にSSBでのCQマシンは今日のようにコンディションが悪いときは必須です。
...そうです。今日はコンディションは最悪でした。Esも出ていない状態でそこそこGWでのQSOが中心でした。
QSO数はここに書けないほど悲惨なものです。
さらに、台風の影響かときどき小雨が降ってきたので3時間ほどで撤収して下山となりました。


今回は格安で購入したシールドバッテリー(50AH)のテストも兼ねての運用でしたが、まったく問題なく3時間CQを出し続けることができました。これなら1日の移動運用でも大丈夫でしょう。(このバッテリーは通常自宅でソーラーパネルでフル充電の状態で管理しています。)
シールドバッテリーのテストに関しては満足の結果となりました。

2011年7月24日日曜日

CL6DXZのメンテナンス(準備編)

家を建ててから約19年、新築と同時にタワーに設置した50MHzの8エレYagi、CL6DXZ(一部エレメントが折れていて実質7.5エレ(^_^;)が数年前からSWRが3くらいになっています。Rigの内蔵チューナーでなんとかごまかして使って来ましたが、このところの好コンディションを受けてメンテナンスをやってみようという気になりました。

CL6DXZはU字型のスタブでマッチングをとるようになっています。なぜか、現状でバンド内どこでもSWRが3になっています。
最初はバランの不良と思って直結してみたのですが、結果は同じ。スタブをはずしてもSWRは同じ。ほとほと困り果てていました。

今回のメンテナンスはスタブを取り去って、ガンママッチで挑戦してみようと思います。実はその昔、大学のクラブでCL6DXがやはりデフォルトのスタブではマッチングが取れなくなって、ガンママッチで修理をしたことがあるのです。

今回の修理に当たって、事前にヤフオクでタイトバリコンを入手しておきました。
100pF/1.5KVという規格です。50MHzで使うには容量が少し大きすぎるかなと思いましたが、100Wを入力するため耐圧を重視して入手を決定しました。

ちょうど今日は先週の台風6号対策でアンテナをエレベータダウンしていて、さらに、今日は曇りでそれほど気温も高くないので、作業を行うことにしました。
今回はまだバリコンを収納する対候性の高いケースがなかったのでとりあえず、バラックできちんとSWRが下がるかどうかを検証してみようと思います。

とりあえず、バランは使わずにバリコンとショートバーを錫メッキ線とわに口クリップで空中配線としました。
送信機はVX-8Dです。SWR計はFCZ研究所の小型SWR計です。

最初はショートバーを給電点からかなり遠く60センチ位にしていたのですが、バリコンの位置がどこでもSWRは無限大です。
少しずつ、ショートバーを給電点に近づけていくと少しずつですが、よくなります。
思い切って給電点から20センチにするとかなりよくなってきます。

最終的には50.835MHzでSWR=1.1にすることができました。
まだまだ、SSBバンドに追い込みたいところですが、空模様が悪くなってきて、遠くで雷がゴロゴロいいはじめましたので、撤収としました。
とりあえず、今日は、このパーツの定数でSWRを目的値に追い込める見込みを確認できたのでよしとします。

あとは、ケースや、マッチングロッドの固定方法やショートバーの加工などを考えなければなりません。
秋のDXシーズンまでになんとかやっつけたいものです。